公開実験レポート

バーナム効果低減を試みた
AI 4モデル 比較実験

同一の計算済み星図データを ChatGPT・Gemini Pro・Gemini Flash・Claude の4モデルに渡し、「バーナム効果を減らした鑑定」を指示。結果を精度・具体性・独自性の観点で比較した実験記録です。

実験条件

入力データ:Swiss Ephemeris で計算済みの出生図データ(天体位置・ハウス・アスペクト・小惑星含む)をYAML形式で提供。個人情報は含まない。

プロンプト指示:「バーナム効果・一般論をできる限り排除し、このデータから直接読み取れる傾向を優先して記述せよ。」

比較軸:①このチャート固有の情報を使っているか ②一般的な占星術知識で補完していないか ③バーナム表現(曖昧・普遍的な記述)を避けられているか

01

テストに使用した星図の構成

ASC
牡羊座
☉ 太陽
獅子座
5ハウス
☽ 月
水瓶座
11ハウス
☿♀♂ 集中
乙女座
6ハウス
7ハウス
♇♅ ☊
冥王星・天王星・ノード
MC
山羊座

※ 小惑星データ(パラス・ジュノー・キロン・リリス等)も含めて提供。アスペクトの角度・オーブの具体数値は非公開。

02

AIタイプ別 特徴マップ

CLAUDE
解釈展開型
参考値: 45 / 50
アスペクトを「論理の一部」として展開。小惑星まで積極的に活用し、解釈の厚みが最も出る。占い師っぽい読み方。
CHATGPT
圧縮構造型
参考値: 43 / 50
YAMLを圧縮して意味構造へ変換。5H→6H→7Hの流れでチャートを一枚の地図として読む。監査員っぽい読み方。
GEMINI PRO
データ監査型
参考値: 43 / 50
推測と事実を分けて書く傾向が4モデル中最も強い。空データも正直に報告。データの扱い方が最も透明。
GEMINI FLASH
要約・説明型
参考値: 37 / 50
YAMLの構造を説明する読み方。数値は正確に拾うが、このチャート固有の特徴抽出まで踏み込めていない。

「どのAIが優れているか」ではなく「AIごとにどんな読み方をするか」が、この実験で見えてきたことです。4モデルとも同じYAMLを読んでいるのに、出力の性格が全然違う。同一データから4つの読み方が生まれる——これがnanami-productsの計算データを使う上で知っておきたいことです。

03

AI別 詳細評価

CLAUDE
解釈展開型:小惑星まで活用した深掘り読み
小惑星活用 10/10 YAML根拠 10/10 マイナーアスペクト参照 解釈が一歩踏み込みすぎる

一般的なAI占星術が無視しがちな小惑星まで積極的に活用。「パラスとMCのオポジション(orb 0.20)」「ジュノーと木星のトライン(orb 0.04)」「水星とリリスのトライン」など、他のモデルが言及しなかった配置を複数拾っている。アスペクトを「論理の一部」として組み込む点が特徴的。

Claudeの出力から

「水星とリリスのトライン——言ってはいけないとされていることをことばにする力。タブーに触れる表現や、場を揺らすような問いかけが、実は才能の核心にある。」

弱点は「データから一歩踏み込む」傾向。心理描写は配置に根拠はあるが、YAMLから直接読めるかというと一段飛んでいる。占い師として面白いが、純粋なデータリーダーとしては補完が入っている。

GEMINI PRO
データ監査型:推測の明示と空データ報告が4モデル中最も誠実
推測の明示 10/10 小惑星活用 9/10 空データを正直に明記 解釈がやや強い箇所あり

4モデル中、最も「誠実な読み方」をしている。31日サマリーが空であることを明記し、推測には「推測を含みます」と注記。他のモデルは空データを読み飛ばすため、この点はGemini Pro単独で評価できる。小惑星もジュノー・パラス・リリス・キロンまで拾っている。

Gemini Proの出力から

「YAMLの next_31_days_summary は空({})です。(推測を含みます)現在の太陽・水星・天王星が双子座にあり、今後数週間のうちに蟹座へと移動していきます。」

弱点は解釈がやや強い箇所がある点。「自身の価値を正当に認めさせる才能」は配置根拠はあるが少し盛っている。ただし全体として4モデル中最も推測と事実を分けて書いており、データの透明性が高い。

CHATGPT
圧縮構造型:YAMLをハウス構造の地図として読む
構造把握 9/10 トランジット活用 9/10 占星術知識ベースによる補完あり データより解釈が先行する箇所

4モデル中、最も「構造を読む」アプローチをとっている。「5H(表現)→6H(改善)→7H(変容)」という流れを早い段階で把握し、チャートを一枚の地図として読んでいる。単なる説明ではなくチャートの特徴抽出であり、監査員っぽい精度重視の読み方として評価が高い。

ChatGPTの出力から

「この配置は、『自分が目立ちたい』よりも、何かを整え、役立つ形にし、人に届けるために表現する方向に強く出ています。」

弱点は占星術知識ベースによる補完。「7ハウス冥王星+ノード→運命的な出会いを繰り返す」は定番解釈であり、YAMLから直接確定できる結論ではない。Claudeが「アスペクトを展開して説明文へ変換」するのに対し、ChatGPTは「YAMLを圧縮して意味構造へ変換」する——目的別の使い分けが有効。

GEMINI FLASH
要約・説明型:構造の説明はできるが固有性の抽出が弱い
小惑星活用 6/10 固有性の抽出が弱い テンプレ感が残る

YAMLを読んだというより「YAMLの構造を説明している」だけになっている箇所が多い。数値は正確に読めているが、「このチャートだから出てくる固有の特徴」まで踏み込めていない。

Gemini Flashの出力から

「高い分析力と実務能力をベースにしつつ、大局的な視点からタスクを割り振っていくことで、この1ヶ月を安定して乗りこなすことができる傾向にあります。」
→ 誰のチャートでも出てきそうな表現。

小惑星はジュノー・パラス・バーテックスを出しているが、チャート全体のテーマへの組み込みが弱い。同じGeminiでもProとは別物に近く、長文構造物はFlashよりProの方が得意な傾向が今回の実験でも確認された。

04

実験から見えたこと

FINDING 01

同一YAMLから4つの文体が生まれる
Claudeはアスペクト深掘り、ChatGPTはハウス構造把握、Gemini Proはデータ信頼性明示、Flashは構造説明。同一データから4つの文体が生まれる。

FINDING 02

占い師っぽさ vs 監査員っぽさ
Claudeは人物像へ寄り、ChatGPTは配置から読めることへ寄る。目的によって使い分けが有効。

FINDING 03

Gemini ProとFlashは別物
Proは誠実さと小惑星活用で高評価。Flashは構造説明にとどまりテンプレ感が残る。長文鑑定文にはProが適している。

FINDING 04

AI出力の質はモデルと入力データの両方に依存する
小惑星・細かいアスペクトまで含む計算データを渡すほど、鑑定の固有性が上がる。ただし同じデータでもモデルによって出力の性格は大きく変わる。データ品質とモデル特性の両方を理解して使うことが重要。

目的別 使い分けガイド
深掘り解釈したい → Claude
構造を把握したい → ChatGPT
データを検証したい → Gemini Pro
手早く要約したい → Gemini Flash

※ 参考値の点数は「どちらが優れているか」を示すものではありません。評価軸が異なるため同点でも読み方の方向性は異なります。